コープス・ペイントの元ネタとは?

某雑誌で「コープス・ペイントの歴史」特集があったのは知っていますが、今はあえて読まずに書いています。

※記事中のリンクは記述がなければ基本的にWikipediaです。

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白塗り悪魔キャラの祖がアーサー・ブラウンとして、そのコープス・ペイント(白い顔)のもとはどこから来たのか?

見て最初に思い出したのは、マクドナルドのマスコット・キャラクター、ドナルド・マクドナルド(英名ロナルド・マクドナルド)の道化師(クラウン)メイク。

→追記:アーサー・ブラウンのメイクがクラウン由来なのは確定してますね

インタビュー:Arthur Brown - Red Bull Music Academy Japan

 

(日本では間違って広がったそうですが、涙マークがなければピエロではなくクラウンらしい)

 

ドナルドの誕生が1963年でアーサー・ブラウンのコープス・ペイントよりだいぶ先。同年、日本でも「三人のクラウン」という番組が放映されていたそうですが。この頃には世間の人々にもお馴染みだったらしいクラウンメイク、白い顔のベースができたのはwiki等によると1800年代初めらしいですね(ジョセフ・グリマルディ)。

というわけで、アーサー・ブラウンやスクリーミング・ロード・サッチ、アリス・クーパーなどはクラウンメイクが元ネタ、Secos & Molhadosや聖飢魔Ⅱ等は歌舞伎を元ネタとしていると思われますが、「コープス・ペイント」のWikiを見てみましょう。

 

(否定する向きもあるので入れていませんがKISSも歌舞伎が元と思われます。ソース:

【生ける伝説】KISSのジーン・シモンズだけど、なんか質問ある?【ロックの大御所】

Q. ボディペインティングを始めた裏にはどんなストーリーがあんの?

>A. ボディペインティング? どういう意味かわからないな。
>もしメイクのことなら……ずっと、ホラー映画と日本の芸術表現のひとつである歌舞伎のファンだった。
>その結果があのメイクだったんだろう!

日本語訳のタイトルのせいでネタっぽい記事ですが翻訳元は公式のもので、記事中にもある通りジーン・シモンズTwitter本人証明有)

 

 コープス(死体)・ペイントという名称は、アーサー・ブラウンなどからの流れの方が先にあるのに、一見そぐわないように見えてしまいますね。ブラックメタルバンドも死体というより「おぞましい死体」に見せたいところが多い気がしますし、名は体を表すとは限りませんが。 アーサー・ブラウンからの流れだと死体メイクというよりは「人形メイク」「仮面メイク」とでも呼んだ方が良さそうなものですが、しかしクラウンも歌舞伎の隈取も成り立ちを追いかけていくと、大もとには仮面劇(もしくは人形劇)がありそうですね。クラウンはコンメディア・デッラルテのアルレッキーノパリアッチ、歌舞伎の隈取は元とされるのは京劇や浄瑠璃とか。仮面劇は歴史が古く、ギリシア悲劇の時代からあるそうです。

 

そもそも仮面とは何のために生まれたのかを探すとこういう記事が

世界最古のマスク、農夫の祖先の顔か 

最初にコープス・ペイントを見たときは「起源はデスマスクかも?」と思ったのですが、世界最古の仮面の用途が記述通りなら、あながち外れではないかもしれません。 死者の面を象る仮面から発展したのなら、クラウンメイクや歌舞伎の隈取に似たものでも、コープス・ペイントと呼べるかもしれません。

 

(そもそも聖飢魔Ⅱはあれが素顔ですがね)